歌を多少とも習ったことがある。でも全然うまくならなかった。
あるいは、かえってヘタになってしまったという人は、結構いるものです。
そういう人は、ほとんど例外なく<腹式呼吸>という《迷信》にまどわされています。
これを信じ込むと、呼吸を意識しないではいられません。
その結果、歌はだんだんヘタになります。
この迷信は、だいたいこういうものです------。
歌をうたうさいの正しい呼吸方法は腹式呼吸である。
腹式呼吸とは、腹筋で横隔膜をはたらかせてする呼吸法である。
腹筋をはたらかせるには、おなかをふくらませてたりへこませたりする。
なんとももっともらしく、練習してマスターするのもそんなに難しくはなさそうな「理論」ですが
そのコツがつかめるまでに一〇年かかる人もいます。
一〇年やってもダメな人もいます。
ちょっとやそっとの練習でマスターできるものではないようです。
この難しい呼吸法は、カラオケをうたうためにはぜんぜん必要ないものです。
むしろ、自然にリラックスしてうたうことをこの呼吸はじゃまします。
その理由は次の通りです。
第一に、意識しなければなんでもなくできる呼吸を「意識」が乱します。
第二に、よけいなところに力を入れさせます。
第三に、必要以上の空気を吸い込み、うたう前に吸い込んでしまう悪い癖をつけさせます。
第四に、うたうということは、特別なことだと思い込んでしまう。
第五に、腹式呼吸はうたうために大切なんだと思い込んでしまう。
《腹式呼吸》をやると歌がヘタになるというのは、このような理由からです。
カラオケには正しい呼吸法なんてないのです。
しいていえば、ふつうの呼吸が正しい呼吸なのです。
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